雪から春風へ、日々の安全管理

先日、都心の方でも結構な雪が降りましたよね。
前日の降り出しは遅かったですが、あの日は朝からしんしんと冷え込んで、窓の外が真っ白になっていくのを眺めていました。
車も凍結していたため早めにエンジンをつけ、雪下ろしをしながらふと思ったんです。 あぁ、このワイパーのゴム、そろそろ替え時だったかな、とか。 エンジンをかけた時の小さな音の違和感とか、普段は「まだ大丈夫だろう」と後回しにしていることが、厳しい天候になると一気に顔を出してくる。
石の世界も冬は堪える
これは、私たちの仕事である石の世界でも全く同じことが言えるんですよね。
雪が降って、それが溶けて石の隙間に入り込み、夜の寒さでまた凍る。
水は凍ると膨張しますから、そのわずかな力が長年頑張ってきた石造物にとっては大きな負担になるんです。
目地が切れていたり、石が少し浮いていたり。 普段は何気なく見過ごしてしまっている「老朽化」のサインが、雪の日には悲鳴を上げているように見えることがあります。
石というのは、一度据えてしまえば何十年、何百年とそこにあるもの。 だからこそ、ついついメンテナンスという言葉を忘れがちになってしまいます。
でも、人間と同じで、石だって歳を重ねるんです。 私の住む番匠免のあたりも、古い家屋や昔ながらの石垣が残っていますが、雪の後に改めて眺めてみると、少しずつ、でも確実に時間が刻まれているのを感じます。
そして、雪が過ぎれば今度は風の季節がやってきます。 これから「春一番」も吹くでしょうし、年々激しさを増しているような台風も心配です。
三郷は高い建物が少ない分、風の通り道になりやすい場所もあります。 強い風に煽られて、もし万が一古くなった石灯籠が倒れたり、塀の一部が崩れたりしたら。
そう考えると、のんびりとお茶を飲んでいるわけにもいかなくなります。
毎日の変化を忘れない
安全を保つための管理というのは、何か起きてから慌ててやるものではないはずです。 日々のチェックこそが、一番の対策なんですよね。
でも、その日々というのが一番難しい。 忙しさに紛れて、今日はいいか、明日でいいかと自分に言い訳をしてしまう。
私自身、自分の家のことは後回しにしがちで、妻に小言を言われることもしばしばです。
ただ、この仕事をしていると、ご先祖様を祀る大切なお墓や、地域の守り神である鳥居など、多くの人の「想い」が詰まったものに触れる機会が多い。
それらが傷んでいくのを見るのは、やはり忍びないものです。
だからこそ、このブログを読んでくださっている皆さんにも、少しだけ気にかけてみてほしいんです。
ご自宅の周りや、お墓、あるいは近所の古い石造物。 ほんの少し立ち止まって、いつもと違うところはないかな、と眺めるだけでいい。
それは、ただの点検ではなく、その場所やモノが紡いできた時間を慈しむことにも繋がるんじゃないか。 そんな風に思うんです。
石は喋りませんが、よく見ると色んなことを教えてくれます。ちょっとここが痛むんだよとか、そろそろ手入れをしてほしいなとか。 私たちは、その無言のメッセージを受け取る通訳のような存在でありたい。 そう願いながら、今日も石と向き合っています。
もうすぐ春ですね。 暖かい風が吹く前に、大切な場所の「安全」を、もう一度見つめ直してみませんか。
特別なことをしなくてもいい、ただいつも通りかなと確認する。 その積み重ねが大きな安心を生むのだと信じています。
自分の体も大切
そんな私自身も若い頃は「まあ、大丈夫だろう」で済ませていたことも、この歳になると、そのちょっとした油断が思わぬ怪我やトラブルに繋がったりするものです。 同世代の方なら、なんとなく分かっていただけるんじゃないでしょうか。
自分自身の体の声に耳を傾けることも、立派な安全点検ですよね。 「まだいける」と無理をせず、休むときはしっかり休む。 それが、長く元気に仕事を続ける秘訣なのかもしれません。
まずは自分の運動不足解消から、安全点検を始めようかと思います。
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有限会社篠田石材工業
代表取締役社長
篠田雅央
石を通じてお客様に喜びと感動をもたらす仕事をします。
- 1996年
- 第2回ニューデザインコンテスト大賞受賞
「世界地図入りピラミッド型」
- 2005年
- 第11回ニューデザインコンテスト 特別賞受賞
「映画カメラマンのレンズのついたお墓」
- 2013年
- 第19回ニューデザインコンテスト ニューデザイン賞受賞
「3本マスト帆船型お墓」
【所属加盟団体】
(社)全国優良石材店の会 元常任理事
(社)日本石材産業協会 埼玉県支部長
埼玉県石材業協会加盟
埼玉県石材業協会技能士会加盟
吉川警察署 少年非行防止ボランティア 会長
越谷地区保護司会三郷 保護司
(社)三郷青年会議所 2017年 理事長
彦成小学校 元PTA会長
元三郷市消防団 5分団3班 班長
【著書協力】
- 「死ぬ時に後悔しないために、今日から大切にしたい事」(すばる舎)
- 中下 大樹著書 協力
- 「笑いの化学株式会社」 (アートダイジェスト)
- 夏川 立也著書 協力

