人々の歴史と思いに触れた旅
先日、娘と鹿児島県を訪れる機会がありました。

今回の旅でどうしても足を運びたかった場所がありました。 「特攻の母」として知られる鳥濱トメさんの資料館です。
出撃前の特攻隊員たちを我が子のように慈しみ最後までお世話をしたトメさん。
館内に展示された隊員たちの遺書や当時のエピソードを記した資料を前にすると、言葉にならない感情が胸にこみ上げてきた。
彼らが命を懸けて守ろうとしたものは何だったのか。 そして、その若者たちを深い愛情で包み込んだトメさんの思い。
決して忘れてはならない歴史がそこには確かに息づいていた。
過去の人々の深い思いに触れたことで、私は自分たちの仕事が持つ意味について改めて考えさせられました。
石に込められた思いを汲み取る
私たち石材店が現場で扱うのは決してただの石の塊ではありません。
時には200年、300年前の江戸時代からそこにある古い石を扱うこともあります。
表面の文字が風化して読めなくなっていたとしても、そこには何百年も前にそれを建てた人々の祈りが込められている。
先祖を想い、家族の平穏を願う切実な思いだ。
だからこそ私は常々社員たちに伝えていることがあります。
現場で古い石を動かす時、単なる物体として扱うようなことはしないでほしい。 その石が過ごしてきた時代背景や昔の人々の思いをしっかりと汲み取り、敬意を持って丁寧に扱うべきだ。
重機を使えば石を動かすこと自体は簡単かもしれない。
しかし、私たちの仕事は効率や力任せで済むものではない。
先人たちの思いを受け継ぎ、未来へと繋いでいく。それが石を扱う者の使命である。
そうした歴史の重みを感じながら真摯に石と向き合う姿勢は、言葉にしなくてもお客様に伝わるものです。
目に見えない思いを大切にする丁寧な仕事の積み重ねが、最終的にご家族の安心や喜びに繋がっていくと私は信じています。
鹿児島で感じたあの厳粛な空気と、先人たちの思いを忘れることなく、一つ一つの仕事と丁寧に向き合っていこうと思います。

