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迷惑をかけたくない=お墓はいらない?

「子供達に迷惑をかけたくないから、お墓はいらないんだ」

墓所のご案内をしていると、こういった言葉をよく耳にします。確かに迷惑をかけたくないという気持ちは重々わかります。しかし、それが「お墓はいらない」ということとイコールになるのでしょうか。

千葉県流山市のとある住職はご法事の際にこんなことを言っていました。

檀家さんのご親族「俺は墓なんていらないよ、死んだら海にまいてくれればいいんだ」

住職「そうですね。あなたはね

別のご親族「お墓残されたら迷惑でしょ。別に死んだら終わりだから墓参りなんて来てもらわなくていい」

住職「そうですね。あなたはね。でもこうしてここに法事に来ていますよね。あなたがしているように、あなたの周りにはあなたのような気持ちを持ってくれている人はいないのですかね」

日本人っぽいというのでしょうか、自分を卑下して物事を決めつけてしまうことが往々にあります。

死んでからも迷惑をかけたくないと言っているのはその本人の主観であって、周りの家族や、親戚、友人は迷惑と思っているんでしょうか?

実際に聞いた答えではないのが大半です。

迷惑をかけたくないと言っている方の自分」を「子供」や「大切な人」に置き換えてみても同じ考えかを検討してみてください。

子供の墓なんていらないよ、死んだら海にまけばいいんだ」

大切な人も死んでしまったら終わり、お墓参りなんかしなくていい」

こう思っているのでしょうか。

自分の発言を置き換えてみて、やはりそれはちょっとかわいそうだと思う方は今一度しっかり考えた方がいい人です。

私は「お子さんもお墓はいらない、迷惑と言っているのですか?」と聞くと「まだ話はしていない」と皆様同じ答えを返してきます。

周りに相談をせずに決めつけているケースが多いので、まずはご家族に相談してくださいと言っています。

もちろん、お墓という選択肢が正しいかはわかりません。そのご家庭やご事情や考え方によるところが大きいといえます。少子化や未婚者の増加により今までは当然とされていたものが大きな変化を迎えています。お墓もその一つであることは間違いありません。

お墓は購入にあたり費用がかかります。けっして安いものではなく、費用負担も大きいのが現実です。また、先々は維持費として管理料や護寺会費などがかかってきます。まったく負担なくということにはなりません。

そのため、高額な費用をかけてお墓を持っても残された人に負担になる、迷惑になるといいう考えも当然あると思います。しかし、お墓がないが故に迷惑がかかるということはないのでしょうか。

残された人は葬儀、諸手続きを行い、またお墓を探さなくてはいけない。残された皆様は故人様のことを想い、意思を尊重しながらどうしたらいいかを考えていきます。これがお墓があるだけでも、そこまでの道筋ができているのでスムーズに向かうことができます。

お客様から「生前にお墓を作っておいてくれたから、助かった。ただでさえ大変なのにこれでお墓もどうしようってなっていたらと思うと耐えられない。お父さんお墓を作ってくれていてありがとう」という言葉をいただいたこともありました。

また、散骨を考えていた方が「孫にお墓がいいと言われた。お墓参りしたいからお墓作ってくれと言われちゃったよ」という話も聞きました。

「葬儀とか法事とかお墓参りの機会がないと親族が集まらないね。久々にみんなを集めてくれたのかもね」とおばあさまが亡くなった後にご納骨を終えて語った方もいました。

お墓を作ることで迷惑がかからないというケースも十分にあります。

もちろんお墓があることで後継がいなくなりトラブルになったというケースも実際はあります。

だからこそ言いたいことは「1人で決めないで家族と相談する」ということです。お墓の相談は暗いことでもないですし、不吉であったりマイナスなものでもありません。生をうけたら、必ず死を迎えます。誰しも必ず通る道なのです。だからこそ皆で支え合っていく必要があるのです。

また今までは家族・親族が当たり前であったことが、少子化や核家族化などにより相談も難しい状況になりつつあります。そのため相談できる時間をしっかりと作ることを積極的におこなっていかなければならないでしょう。また、近所の友人や施設などの活用も今後は必要になっていくかもしれません。1人で抱え込まず、何事も迷惑であると決めつけないで話すことが大事ですね。菩提寺がある場合は、ご住職へ相談することもいいかもしれません。

相談した結果として「お墓を持たない」という判断をされたのであれば、その選択は良いと思います。昨今増えている墓じまい(お墓の撤去)も致し方ないことであると思います。

現在は永代供養墓、樹木葬、散骨などで検討される方が年々増えてきています。弊社へのご相談も増してくる一方ですし、墓じまいもここ5年間で大幅に増加しました。ただ、墓じまいも相談段階で持ち掛けてもらえるのと、もう決めたという段階でくるのでは話も違ってきます。多くのご相談をいただいているからこそ、石材店としてもう少し良い形で提案ができなかったと悔しい思いをすることもあります。だからこそ、自分だけで「迷惑をかけたくない」からと決めつけないで検討していただけると幸いです。

 

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